歯科コラム4「がん治療と口腔ケア」
全く関係ないように思われる両者ですが、実は密接な関係があることがわかってきています。
がん治療で、手術後に抗がん剤治療を併用する場合があることをご存知の方も多いと思います。テレビドラマでも度々目にする、髪の毛が抜けてしまうシーン。あれは、抗がん剤の副作用のひとつです。その他にも、気持ちが悪くなり嘔吐したり体がだるくなったり、白血球数が落ち込むので感染しやすくなるなど様々です。しかし、このあたりのことは結構よく知られていることですが、実は口内炎も副作用のひとつであることをご存知ですか?口の中が乾き(ドライマウス)、お食事ができない方も多いようです。又、歯が痛くても治療内容に制限があったり(たとえば抜歯はできない)とかなり厄介です。
常日頃から、必要な治療は早めに受け、口腔ケアをしていればお口のトラブルで苦しまなくてすむでしょう。ただでさえ、がん治療でダメージ受けているからだに、更に追い打ちをかけるような苦しみを味わいたくないですよね。
がんは今では一昔前の必ず死ぬ病気ではなくなりました。早期発見で克服することができます。それにはやはり、優れた治療薬による抗がん剤治療が可能になったからでもあるでしょう。しかし、がんに効く薬ということはそれなりに他にも影響を与えるということですから、副作用があるのは仕方がないことなのです。
少なくとも、口内炎に対しては事前の口腔ケアがかなり有効なことがわかってきています。
最近では、抗がん剤治療に入る前に歯石をとってもらってと指示してくれる病院も増えていますが、まだ十分ではないと思われるケースもあり、患者様が苦しんでいらっしゃるのをみるのが本当につらいです。
皆様も(がんにならないほうがいいのですが)突然やってくるかもしれない事態に備え、日頃から口腔ケアをしっかりしましょう。
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歯科コラムについて
医院内を新しくバリアフリーにし、キッズスペースも設置しました。それに伴いHPもリニューアルしました。
新しいHPはご来院いただいている患者様にこんなことをもっと知っていただいてお口の中を理解していただいたらと日頃思いつつ、なかなかゆっくり診療時間内ではお話しできないようなことで、ご紹介できたらという思いからこのコーナーを設けました。
日々の生活に少しでもお役にたてれば幸いです。